2014年5月27日火曜日

サーキット用タイヤにF2.5R2.9理論が通用しないわけ

一時、ネットで話題になった、タイヤ空気圧に関する
バイカーズステーテョンの「F2.5R2.9理論」。

その骨子は、現在のタイヤは空気で剛性を確保しているので
空気圧を下げると、剛性が全く無くなってしまい
まともに走ることができない、
・・・・・というものだ。

だが、サーキット用タイヤに関しては
オイラの知る限り、話は全く逆で
タイヤそのもので剛性を確保し
空気圧にはあまり頼っていない。

実際、ピレリの担当者から聞いたSuperCorsaSCの空気圧は
温感ですらも非常に低い値だった。

なんで、こんなことになっているかというと、
以前、F2.5R2.9理論の弊害で話題にした通り
高い空気圧は、限界特性のために重要な
ヒステリシス摩擦にとってマイナスとなるから、ではないか。

また、タイヤ剛性を空気に頼っていると、
走行によりタイヤ温度が変化するに伴って
タイヤ剛性が変化しすぎるから、ということもあるはずだ。

バイクのデータは見たことがないが
レーシングカートの走行中におけるタイヤ温度については
昔、実際に計測したという記事を見たことがある。

ストレートでは、風の影響でタイヤ温度は急激に下がる。
(エンジンパワーがかけられている後輪ですらも!だ)
一方、コーナーに差し掛かると、逆に温度は急激に上がる。
その結果、コース1周の間に、
タイヤ温度はかなりの振れ幅を持って変化している。

これはバイクでもおそらく同じことで、
剛性を空気で確保しているタイヤの場合
ストレートでの剛性低下が顕著に起きてしまうはずだ。

もしくは、ストレートでの剛性確保のために
あらかじめ空気圧を上げてしまうと、
コーナリング時に空気圧が高くなりすぎ、
過渡応答の悪化を招いてしまう。

剛性をタイヤそのもので確保しておけば
多少、タイヤ温度(=空気圧)が変化したからといって
タイヤ剛性が大きく変化することはない。

以上は単なる素人の推論だが、
いつか、タイヤメーカーの人間に
この推論が正しいかどうか
話を聞いてみたいと思っている。




「MotoGPにミシュランが帰ってくる」
という話を聞いていて、
ちょっと思い出したので書いてみました。

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