2015年2月12日木曜日

801ccで170馬力って本当??

http://www.visordown.com/motorcycle-news-new-bikes/yacouba-feline-one-concept-revealed/26262.html

とあるデザイナーが作ったコンセプトバイクが
実際に市販されるという。

カーボンやらチタンを使いまくり車重は155kg。
価格は3千万円オーバーというから
「なんじゃそれ!」なんだけど、
実はこのバイクのエンジンは
3気筒801ccで170馬力という
とんでもないハイパワーらしい。

メーカーのHPを見ても
ボアやストロークなど詳細は分からない。

170馬力ではなく、70馬力または100馬力の誤植では?
という気もするけれど、
ここは170馬力を信用することにして話を進める。

馬力なんて、高回転型にすれば
いくらでも稼げる・・・・って
本田宗一郎じゃあないけれど、
似たエンジンということでMT-09を例として、
MT-09と同じくらいのBMEP(正味平均有効圧)
だとすると、1万5千回転くらいまでぶん回せば
170馬力を発揮できる計算になる。

またはもっとチューンしてあるとして
GSX-R1000並みのBMEPだとすれば
1万3千回転でOK。

とはいえ、国産4気筒600ccSSだって
せいぜい1万3千とか1万4千くらいで
最大出力を得ていることを考えると
3気筒801ccがこんな高回転も回るって
この数字は本当??と疑いたくもなるというもの。

もちろん、MotoGPのワークスエンジンは
1000ccを1万8千以上も回しているけれど
ワークスライダーがクローズドで乗るバイクと
市販されるバイクを比べてもしかたがない。

回転数を上げなくても
圧縮比を上げればいいじゃん!
というかもしれないが、
市販されるバイクは
どこでどのようなガソリンを給油されるか
全くわからないわけだから、
圧縮比だって、おのずと上限がある。

それに、圧縮比を上げすぎてしまうと
ノッキング耐性が低くなるため、
ボアを大きくできない。

ボアを大きくして高回転型にしたければ
あまりむやみに高圧縮比にはできない。

圧縮比と回転数(ボア)は、トレードオフの関係にあり
口で言うほど無茶なチューンはできないのである。

ドカの1199パニガーレのエンジンが
圧縮比12.5と、他社の4気筒勢に比べ
やや低めなのは、二気筒ゆえのワイドボアのため、
これ以上、圧縮比を高められなかった、
というのがボアと圧縮比についての傍証になっている。

そんなわけで、本当に3気筒801ccで170HPだとすると
かなりの無茶をしているとしか考えられないはずで、
NinjaH2Rが、極端に短いエンジンOH間隔で話題になったけれど、
このエンジンも「1000キロ乗ったらエンジン開けてください」
なんてことになっているんじゃなかろうか。

ところで、こちらのブログによると、このデザイナー、
タンブリーニの作品であるブルターレをリデザインする、
などという、神をも恐れぬ所業の張本人らしい。


しかも、そのリデザインしたバイクの絵がこれ。

ブルターレがベースになっているはずなのに
なんとも、平凡なデザインにしかなっていない。

バイクのデザインが本業の人ではないらしいけど
ヤマハVMAXのデザインを手がけ、
先日亡くなった栄久庵憲司氏だって
必ずしもバイクのデザインを本業にしておらず、
世界的には(日本国内でも)VMAXよりも
キッコーマンの醤油入れのデザインで有名である。

このデザイナーの、やたら直線だけでデザインされたバイクが
「バイクの未来の姿」というのはオイラには理解できないが
アフリカ生まれらしいデザイナーによる、このバイクが、
アフリカ人の美的センスを表しているのだとしたら、
日本メーカーが苦戦するアフリカ市場攻略のヒントが
・・・・得られるのかもしれない、と言っておこう(笑)

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